【BL小説】あの夏から戻れない(宮緒葵)レビュー

  • パラレル異世界、昭和初期の日本へトリップ!
  • 幼馴染執着攻め×執着される大学生受け
  • 謎の多いホラー的要素あり

作家買いして間違いない、宮緒葵さんの著書で、夏に読みたい「あの夏から戻れない」。

宮緒さんお約束の「超執着攻め」の溺愛執着っぷりをたっぷり楽しめる一冊です。

あらすじ

十年前の夏休み。

夏生一家は近所に住む幼馴染みの柊(しゅう)と彼の父親と共に、田舎のとある村に遊びに来た。

村には沼があり、その沼では神隠しにあう人が多いという。

大人から「絶対に子どもだけで沼へ行ってはいけない」と言われていたけれど、朝早く、夏生は柊に誘われ二人だけで沼へ向かう。

ところが夏生の目の前で、柊は謎の霧に攫われ消えてしまった。

大学生になった夏生は、柊が生きていると信じて彼が行方不明になった山へ向かう。沼へ向かった夏生は、あの日と同じ霧に包まれ、気が付けば不思議な村へと迷い込んでいた。

「おだまき様」という神を信仰し、昭和時代のような生活様式の村には、雄々しく成長した柊がいた。

「ずっと会いたかった」と激しく抱きしめられて――。

あの夏の続きが、はじまる。(一部Amazonの紹介より抜粋)

時間の流れが違う?謎多き「村」は、八つ墓村的な閉鎖空間

夏生が迷い込んだ村は、日本なのだけれど今の日本とはちょっと違う世界。

人々の服は垢ぬけず、薄型テレビもスマホもない――。

なんと、昭和時代の生活様式がそのまま続いている村だった!

この世界設定が面白いです。スマホもインターネットもなくて、いがぐり頭の男の子とおさげの女の子がいて、食事はもちろん和風で、畳の部屋で、エアコンもなくて……

という、太平洋戦争前後くらいな文化なんですよね。

そして、なんだか妙に閉鎖的な雰囲気があるんです。

さらに人々は、村に伝わる不思議な歌を歌って……

土着的でじめっとしている日本の閉鎖空間を味わえます。

八つ墓村とかひぐらしのなく頃にとかの世界観が好きな人はたまらないです。

体格差萌え&執着攻め好きのハートをノックアウト、当て馬もいる

そこで出会った柊は、夏生と同じ年齢だったはずなのに、夏生よりずっと大きく成長しています。

この村、時間の流れが夏生がそれまで住んでいた世界とは違って、ずっと早い様子。同い年の柊は、夏生より年上になっていたのです。

まあこれ、BLですから、宮緒葵先生ですから、お約束の「攻めは物語が始まる前からずーっと受けのことを大好きだった」わけで、お話の割と最初から、攻めの受けに対する執着が見えます!

で、男らしくカッコよく成長した攻めの柊が大好きだった夏生に執着して抱きしめたりキスしたり、抱いちゃったりする様子は非常にときめきます!!

表紙絵を見ても主人公二人の体格差はけっこうあるので、体格差好きな人はもうきゅーんとくると思う!

さらに、子どもの頃姿を消した柊が済んでいるこの世界には、柊に熱烈に恋する美少女がいたりして、(でももちろん攻めは受けしか目に入ってないわけなんだけど!)当て馬がいるのが好きな人にもズサッと刺さります。

※この当て馬の美少女もかなりすごい性格していて……。ストーリー的にはすごく面白いです!

最初から受けがトロトロになっちゃう濃厚な絡み、エロも満足

宮緒さんの小説は濡れ場が濃いのですが、全然下品じゃなくて気持ちよく読めちゃうんですよねえ。

今作も、濡れ場は濃厚。受けがめっちゃくちゃ愛されてていて、攻めに愛されてトロトロになって感じまくっちゃう受けが超かわいいです!!

これがまた、畳の和室っていうのがね。白い敷布の布団っていうのがね。いいんですよ!!

これ、リアルで「麦茶の氷がカラン」って鳴るやつですから!!

宮緒さんのエロに関してはもう今更私が何か語るまでもないでしょう。

全てのBL好き女子が全員満足できるエロです!!

攻めの執着の度合いが深すぎて怖い後半……

さてさて、全編にわたり(宮尾さんお約束)攻めが受けを溺愛して執着しているわけですが、この執着っぷりの凄さが分かるのが後半(のさらに後半)です。

ここで書くとネタバレになってしまう恐れがあるので

「執着すごすぎてちょっと怖かった」(でもそれがよかった)とだけ書き記しておきましょう!

うん、私はこの超執着っぷりが好きです。

好きすぎてすべてを見失う攻め……暴走する攻め……もう誰も止める人がいないから、どこまでも暴走しちゃう攻め……

でもそれがいい!!!

執着のあまり暴走しますが、根っこには愛があるのでね。

ちゃんとハッピーエンド、納得のエンディング

だいぶ泥臭い匂いを感じさせてくれる今作ですが。ちゃーんとハッピーエンドなので安心して読んでください。

エンディングはとてもきれいに決まっています。

番外編の攻めの行動なんてすごくかわいくて、にまにましちゃいますよ~

このエンディングを迎えた後の二人の暮らしを、もうちょっと読みたい。

そんな気分にさせてくれた作品でした。

あの夏から戻れない(宮緒葵)

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