副音声はうるさい十分に

キャスト

【攻・野崎】森川智之×興津和幸【受・西田】
【沼田】堀江瞬

スタッフ

原作:英子
脚本:有島ちはや
イラスト:英子

発売日:2022年03月25日
収録時間:76分
発売元:eclair Records

野崎と西田は、上司と部下の関係。
仕事もできるし見た目も良いのに……この二人、鈍感すぎます!!!

「駄目だって西田くん 勘違いさせないで」
「ああ…俺全く相手にされてないんだ」

ヤることやってるのに、不器用すぎて……ああ、もどかしい!!

BL界新鋭の英子が贈る、心の声がうるさすぎる上司・野崎×部下・西田の新感覚すれ違いラブコメディ!

レビュー

「副音声はうるさい十分に」は、森川智之さん演じる野崎課長と、興津和幸さん演じる西田君の、ほぼ2人だけで展開するラブコメです。

野崎課長と西田君はお互いに相手が好きなんだけど、相手も自分を好きだとは全く思っていなくて、でもひょんなことから体の関係を持ってしまうのね。ところから始まる、誤解に誤解を重ねるBLなの。

もうね、最高に最高に面白かった!!

これ、タイトルが「副音声はうるさい十分に」で、最初は誤植かなと思ったんだけど誤植でもなんでもなくてそのままで、ほんとうに、副音声のように、主人公2人の心の声がセリフひとつひとつ全部に入ってるくらいに入ってるのね。

で、実際に声に出して言う言葉や態度はすましてるんだけど、心の中では大喜びしたり慌てたり凹んだりっていうのがすっごく細かくセリフがあって、まずそれが面白い。

相手の顔を見て「おはよう」って爽やかに言いつつも、心の中で「好き!」って叫んでたり、自分が暴走したと思い込んで「ごめんなさいごめんなさい」って誤ってたり、ほんと全部

「分かる!」「こういうことある!」っていうので構成されてるのね。

その「心の声」が全部セリフになって聞こえるのもおもしろいんだけど、2人とも両想いなのに、相手は自分のことなんて眼中にないと思い込んで、誤解してとことんすれ違って、すれ違いつつも心の中で「大好き!!」って叫んでるのが最高に面白い。

2人は誤解ゆえに、お互い好きあってるんだけど付き合うんじゃなくてセフレになっちゃうのね。これ自体は、BLではあるあるな展開じゃない。で、ほとんどはなんかすごい切ない系な物語になることが多いじゃない。そういうのも好きなんだけど、

この2人の場合はね、勘違いでセフレになっちゃったんだけど、相手が好きすぎて、お互いに「ほかのセフレに順番を回してやるもんか!」、自分に引き付けておこうと策略をこらしつつ、心の中で何度も「好き!」って叫んでるところが本当にいいの。

めっちゃ爽やかなのね。

やってることは不健全なんだけど、ピュアで爽やかで、ある意味ガッツにあふれていて前向きなの。

で。何より相手が「好き!」って気持ちが大きくて、しょっちゅうしょっちゅう、心の中で「好き!」って叫んでるから、もうホント、主人公2人が可愛くてかわいくてしょうがなくなっちゃうの。

西田君なんてちょっとネガティブ入ってるところもあるのに、それでも爽やかに感じさせてくれるところなんて、本当に興津さんのお力のたまものだと思う。

そうそう、この作品ね、森川智之さんと興津和幸さんという、実力派の共演なのね。名優お二人が演じてくださったというのも、ここまで「おもしろい!」って思わせてくれたものすごく大きいファクターだと思う。森川さんなんて、BL界の帝王と呼ばれた方で、私はいまだに帝王だと思ってるけど、20年くらいずーっといろいろなBL作品に出演されてね、今でもこうして新作に出演してくださるって、本当すごいなって。

そして、やっぱりとってもお上手だし、安心して聞けるし、すべてにおいて過不足なくて、ちょうど良くて、お声もすごく耳に心地よくて、もうほんと最高だよね。私は古いBLCDも愛する腐女子なので、森川さんのお声をBLCDで聞けるというだけでも「ありがたや~」って思います。

興津さんもね、いろいろな作品で存在感を放ってらっしゃってるじゃない。ほんとうに実力確かな方よね。その興津さんが、こうして大ベテランの森川さんと共演されると、これほどまでに輝くのかと。

もう、お二人ともとても自由に、かつお相手を信頼されて、だからこそ自由に生き生きと演じられたのじゃないかなーと思います。

昔ね、とある女優さんとお話したことがあるんだけど、その方がね「脚本が面白くなかったときに、それを面白くするのが役者」と言っていたのね。そのときはその意味が分からなかのよ。だって、脚本が詰まらなかったら、それはもう面白くなりようがないじゃないって思って。でも、この作品を聞いて、もちろん「副音声はうるさい十分に」は原作も脚本としてもすごくおもしろくて優れた作品だと思うんだけど、脚本の良さを生かしつつ、お芝居の力でもって、それをさらに面白いキラキラした作品に昇華させてるなって。これは役者さんの力がね、すごく大きく働いてるなって思った。

だって、心の声なんて、ほんとうに微妙なニュアンスとか間とか声の高低で、全然変わってくると思うのね。この作品は「心の声」があることが面白さの8割くらいだと思うんだけど、その「心の声」を最大限以上に面白く聞かせてくれたのは、森川さんと興津さんっていう優れた役者さんお二人が演じてくださったからじゃないのかなって。このお2人の組み合わせがまた絶妙だったとも思います。

あと、少しだけ堀江瞬さんが西田君の同期役で出演されてるんだけど、堀江さんも良かったです!西田君に似た種類のツッコミを2回してるんだけど、2回ともすごくいいテンションで、ピタッとはまってて、私の好きな場面のひとつです。CD聞いた人は「これか!」って思ってね。

絡みも多いです。全部で6トラックあるけど、全部のトラックに絡みがあって、なんなら2回戦とかしちゃってるのもあるので、その面でも満足できます。で、芸達者なお2人なので、絡みも存分にね、楽しめます。トラック3か4で会議室でするのがあるんだけど、その時の西田君の心の声が私の中でツボで、聞き返すたびに、「そろそろあのセリフくるぞ」って思いながら何度も聞きました。これも、聞いた人は「これのことだろうな~」って分かると思うので、ぜひね、聞いてニヤニヤしてほしいな。西田君の独占欲の強さが現れた、とてもかわいいセリフです。

もうね、とにかく細部にわたるまで、セリフの一つひとつが全部面白いから、私たぶん6回くらい聞き返してるけど毎回笑ってるし、この先もずーっと聞きたい作品だと思う。

とにかく全部面白い作品なんだけど、最後がね、「え、これで終わり?」っていう、ちょっと拍子抜けな感じだったの。サザエさんとかちびまる子ちゃんみたいな感じ。

ストーリー自体、大きい山があるわけではなくて小さなエピソードの積み重ねだからなんだけど、これは絶対、続編があるなと思ってます。

続編聞きたい!!

あと、キャストトークも聞きたい!このCD、キャストトークがありません。

お2人がどんなことを考えながら収録されたのかとか、すっごく聞いてみたいです。

続編にはキャストトークもついてたらうれしいな。

というわけで、今年発売されたCDの中では、トップクラスに面白い作品でした。

昨今、「これ2枚組にする意味ある?」みたいな、無理やり2枚にした的なBLCDも多いけど、「副音声はうるさい十分に」はそんなことなくて、潔く1枚でね、そういうスマートなところも好感持てました。

去年買った「ハッピー・オブ・ジ・エンド」もそうだけど、1枚だけのCDのほうがクオリティ高い率あるかもしれない。もちろん2枚組でおもしろい作品もあるけどね。1枚でも十分楽しい。

というわけで、買って良かった!次出たらまた絶対予約して買う!と思わせてくれた「副音声はうるさい十分に」。でした。

純粋に楽しめる、笑えるBLCDを求めてる方には全力でおすすめします。


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