春懸けて、鶯

キャスト

【攻・白川遥香】斉藤壮馬×鈴木崚汰【受・成美和雪】【初】
【花巻/高瀬】小林千晃

スタッフ

原作:那梧なゆた
脚本:茶乃原ゆげ
イラスト:那梧なゆた

発売日:2022年04月27日
収録時間:72分
発売元:ステラ・ワース

番張りを制し不良たちのトップになった3年の遥香は、
けんかは好きだが番長職には興味がないのんびりうららか系男子。
新任の古典教師・成美先生がかつて負け知らずの“伝説のトップ”であったと知り、
タイマンを挑む―――が、勝敗は意外な結果に??!

現役ヤンキー×元伝説ヤンキー教師の殴り愛開幕!!

鈴木崚汰、初の受け役CD。

レビュー

春懸けて、鶯で検索するとね、「現役ヤンキー×元伝説ヤンキー教師殴り愛!」っていうコピーが出てくるのね。で、確かにそういうシーンもあるんだけど、ガチガチ少年マンガみたいなヤンキーものかっていうとそうではなくて、けっこうかわいい話でした。

主人公の白川遥香はね、明るいお調子者なんだけど喧嘩が強くて、学校で1番強くなっちゃうのね。で、向かうところ負けなしなんだけど、別にヤンキーというわけでもなくて、ただ喧嘩が強いっていうだけで、トップに立ちたいとか周りを従えたいという欲望はない、わりと感じのいい子なのね。

で、そんな白川君のいる学校に古典教師として赴任してきたのが成美和雪なんだけど、彼は実は伝説の超喧嘩が強い元卒業生だったのね。

で、白川くんの友達が過去に成美先生がケンカしているところの動画を持っていて、それを見た白川君は「すげえ、この人と喧嘩してみたい」って思って先生に絡みに行く……って話です。

ま、喧嘩のシーンもあるにはあるんだけど、BLなのでね、そんなガッツリってわけではなくて、白川君と成美先生の交流が中心です。

このCD、「歳の差」をすごくうまく描いてます。

これ、白川君は高校3年生、成美先生は5年前の卒業生だから23歳なのね。

で、先生に惚れてしまった白川君が自分の気持のままストレートにアタックしていくのと、白川君をだんだんかわいいと思うのだけれど、いろいろ考えてしまって自分の気持にブレーキをかけたりごまかそうとしたりする先生の対比がね、面白いなと思いました。

10代の時は怖いもの知らずでできたことが、年齢を重ねるといつのまにか「怖い」って思って、ストップがかかるようになっちゃうのよね。特に恋愛に対してそうなる。そのあたりがね、すごくリアルだなと。

一方白川君は、先生が好きでガツガツアタックして自分の気持をストレートに表現するんだけど、高校生だからこその無邪気な部分がちょくちょく見えてね、そこもかわいかった。

高校生と20代の社会人の「年の差」の恋愛を、すごくうまく描いてる作品だなーと、3回目くらいにね、聞き返して気づきました。そこを声優さんもすごくうまく表現されていると思います!

受け役を演じたのが鈴木崚汰さんなんだけど、すっごいいいお声で、「え、待って待って、ヤバいこれ!!」ってときめきました。BLCD出演されてる方ってもちろん皆さん声優さんだからいい声なんだけど、鈴木さんのお声はちょっと、ヤバいですね。ツイステのトレイ先輩の声やってる方だよな~という認識しかなかったんだけど、メインでガッツリ話しているのを聞くと、おおぅとなります。

お芝居もね良かったですし、キャストトークで鈴木さんご本人が、自分と斉藤さんは声も含めて相性がいいと思うとおっしゃっていたんですけど、まさにその通りだと思います。

声質がいい感じに全然違くて聞きやすいし、お互いの声の良いところを引き立て合ってるような感じなのね。あとお芝居も、すごく息が合ってる……んじゃないかな。お二人のシーンのテンポとか間はね、ほんと絶妙だと思います。とても自然で、自然すぎるがゆえに、1回目聞いたときは「サラッと」聞けちゃったのかなって。

このお二人、違う役柄でも絡みを聞いてみたいです。

そうそう、今回「春懸けて、鶯」を買ったのは、斉藤壮馬さんの攻めを聞きたいという目的があったからなのね。

で、絡みはあるのですが、最後のトラックに少しだけで、しかもとてもあっさりでした。

まあ、このキャラでこの状況ならそれでいいのかなと思います。

斉藤さんの攻めはじっくり聞けなかったんだけど、やんちゃで純粋な高校生っぷりはね、すごく満喫できました。トラック4でね、白川君が先生の家のシャワーを借りるシーンがあるんだけど、そのシャワーシーンからその後にかけてが、「まさに好きな人の家に来た高校生!!」って感じがすごく出ていて、かわいかったです。

そんな白川君がね、最後のトラックではすごく成長した部分も見せてくれるので、そういう変化を感じられるのも、高校生が主人公だからこそなのかなと思います。

というわけで、ヤンキーものだけど、ヤンキーものというより「10代との歳の差の恋愛」という要素が強いなと感じた「春懸けて、鶯」でした!

もしね、ご自身で創作される方がいて、年の差を書こうと思っていたら、これはぜひ聞くといいと思います。ここまで「歳の差」をうまく表現してる作品って、珍しいんじゃないかな。

あとは、お二人のとても質の高い演技もたっぷり味わえて、そういう意味で良い作品でした!


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